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人材育成

双方向的な国際協力関係の構築

東京大学においては 1995 年以前から日本学術振興会の外国人特別研究員事業や重点研究国際協力事業の支援を受けて外国人研究員を招聘し、東京大学生産技術研究所を拠点とした国際的な共同研究活動を実施してきました。その第1世代の外国人若手研究者は、現在、本国において新たなMEMS/NEMS 研究を立ち上げており、将来にわたって我々との継続的な連携研究を求めています。

次世代のMEMS/NEMS 研究者を彼らの活力を利用して育成すべきであるという考えのもと、具体的には、(1)若手研究者の派遣を伴う国際共同研究の実施、(2)若手研究者参加による共同研究ワークショップの開催、(3)国内外の若手研究者を対象として、各国研究機関の研究者・教員がMEMS/NEMS の基礎と応用を講義する1週間程度の国際スクールの開催の3点をもって、若手研究者向けの育成プログラムとします。

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国際共同研究のための若手海外派遣・ワークショップ

東京大学はこれまでに、学振・若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム(ITP、平成19 年度~23 年度)および研究拠点形成事業・A. 先端拠点形成型(Core-to-Core、平成 24 年度~28 年度)の支援を受けて、海外パートナー研究機関に大学院生からポスドククラスの若手研究者を派遣することで、若手の国際的研究能力を高め、海外機関との国際的共同研究を実施してきました。これらの支援による海外派遣やワークショップへの参加は、若手研究者の博士課程への進学、また、大学院修了後には大学等の研究職に就くことのモチベーション形成として作用するという実績があることから、本事業においても優秀な若手研究者を再生産するために、共同研究の実施者として海外研究機関への派遣を継続する予定です。また、若手研究者が主体となってワークショップを企画する場を与え、国際会議発表よりも深く議論が可能な研究成果発表の機会とし、若手研究者の国際的なプレゼンス育成をはかります。

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若手研究者向け国際スクールの開催

MEMS/NEMS は様々な研究領域の専門知識と技術を必要とするため、若手研究者向けに実習と座学を併用した1週間程度の国際スクールを毎年開催します。これまでに、毎回50名程度の参加者が得られており、各国の連携研究機関の持ち回りで運営しています。

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交換プログラム、研究設備利用の便宜、トレーニング(メンター制度)ついて

申請機関ではこれまでに、フランスCNRS との交流実績に基づいて、海外パートナー機関(フランス、スイス、ドイツ、フィンランド、韓国、台湾、カナダ、アメリカ)との間に、MEMS/NEMS 研究に関する多国間国際共同研究ネットワークNAMIS(Nano and Micro Systems)を、CNRS の国際研究グループ制度 IRG(International Research Group を運用して、2005 年11 月に創設した。本合意書の中では、(1)研究者交流、(2)共同研究の運営、(3)外部資金への共同申請、(4)ワークショップ等の共同開催、および、(5)若手研究者に対する教育プログラムの実施を謳っており、前回のCore-to-Core 予算によって派遣した大学院生を含む研究者を受け入れた機関においては、研究の遂行に必要な資材と施設を提供し、現地の研究者による研究・実験の指導(メンター制度)を提供する体制が整っています。

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本格的な医工連携教育プログラム

本事業の前身である研究拠点形成事業A「バイオ融合マイクロ・ナノメカトロニクス国際研究拠点」(H24-28)の事後評価においては、今後の研究交流活動計画として「東大生産研がMEMS/NEMS 分野においてハード面およびソフト面ともに国際研究交流拠点として充実した環境にある」とされ、また、「(相手方の)SMMIL-E 拠点は新たなMEMS/NEMS の医療応用共同研究拠点として発展することが多いに期待されている」とされています。一方で、「東京大学サイドとしても医学系の研究者を加える」ことが必要との意見を戴いた。これらのコメントに基づき、本事業では医学系研究者・医師である興津 輝を中核研究者として受け入れて医療の現場において本格的な医工連携を実施するとともに、工学系の若手研究者向けにも医学系の知識・技術を提供するセミナーを定期的に実施します。